紅茶と言うと大概の方はティーバッグを思い浮かべると想像します。
確かに、この数ヶ月、ティーバッグの紅茶ばかり飲んでました(笑)。
ただ私、存外、紅茶には詳しいかも知れません。
私の家庭では父が海外中心の仕事をしており、飲み物も緑茶より紅茶・コーヒーの方が多かった気がします。ただコーヒーは子供には飲ませて貰えなかったので記憶に残るのは紅茶です。
二十歳のとき、家族でイギリスへ移り、向うでは定番の紅茶を飲んでいました。
紅茶自体は小さな四角い缶入りのもので、ティーバッグではありませんでした。
ロンドンでは水質に石灰分が多く、薬缶は使っていると薄っすら石灰が付いて来ます。
紅茶も当然、水によって味が変わります。イギリスの紅茶を日本に持ち帰って東京の水道水で飲んだところ、美味しくなかった。
独断と偏見で言えば、概して市販されている家庭向け紅茶が一番味が良いと思われます。
ロンドンだけでなくネパールのカトマンズでもそうでしたから。
イギリスは50年前の話ですから紅茶の個装も四角い缶入りでしたが、ネパールは2-30年前で個装は紙とビニールでした。ただ誇張したいことはティーバッグではなかったことです。
今まで味わった中で最高の紅茶はインド人から頂いたものでした。
コマツのインドにはバンガロールに事務所があり、そこの事務所に勤務していたダビンダー・シンさんという人が居り、時々日本に出張されていました。シーク教徒で頭にターバンを巻いています。長いあいだ、コマツに勤務され結構有名人でした。
彼から頂いた紅茶はLipton製で大ぶりな四角い缶入りで、葉は粗く一般の茶葉よりはずっと葉の原型を留めていた。
これも私の独断と偏見ですが、目の細かい紅茶は概してミルクティーに合うものが多いようです。ミルクティーと言ってもイギリス風にミルクを先に入れるか紅茶が先かというものではなく、鍋で茶葉と砂糖とコンデンスミルクと水を合わせ沸騰させるタイプで、ネパールなどではお茶と言えばこれが出てきます。中東だとミルク無しのベトベト甘い紅茶が出ます。砂糖には発汗作用があり、中東やタイなどでは砂糖は重宝です。
話は戻りますがインド人から頂いた紅茶は素晴らしい味と香りで、これに匹敵するのは、香港で頂いた高級鉄観音、沼津の茶農園の特上茶くらいで、後日女房も同意見で彼に再度注文したいと言ったのですが手に入りませんでした。
因みに中国返還前の香港には茶専門店があり、怖ろしく高いのも売っていました。中国では酒でなく茶で身上を潰すそうです。鉄観音には専用の急須セットがあり、美味しいからとってむやみに飲んではいけません。
返還後香港では茶専門店が激減したようで、代わりに台湾で鉄観音を楽しんでいた記憶があります。台北には今でも茶専門店が結構あります。
専門家ではないので目に止まったところしか行きませんが、外国人に対しても対応は丁寧です。お勧めを聞いて少し試飲して決めるというパターンですが、存外怖いものです。上には際限が無いからです。
茶とは関係無いのですが以前サウジアラビアに居たことがあるので向うのグリーンティについて一言。これはコーヒー豆を炒らず細かくして煎れたものです。生姜を少し加えたりもします。これ、サウジ航空などで出すやつは大したことはないのですが、サウジ人のちゃんとした家庭で煎れてくれたものはヤバいです。カフェインが強く酔います。イスラム教では飲酒は禁止されていますが、カフェインで酔うことは違法ではありません。
同様に良い緑茶でもカフェインが味わえます。但し懐は寂しくなります。
さて、この紅茶。
俗に言うセイロンティーで、ウバ地方のものらしい。この紅茶は先述のようにミルクティーに合う品種で、ストレートで味わうにはちょっと躊躇いがあります。ミルクと合わせるにしてもミルク・ファーストで頂くほうがよろしいようです。
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